一途な執事と甘いティータイム
「そういえば」
「……なに?」
「約束破ったお仕置き、まだしてないよな」
「いや、結局一緒に見てるし破っては……」
「少しでも友達のところに行こうとした罰」
「……んっ」
窓越しに夜空いっぱい広がっていた花火が有嶋の影に隠れてしまう。
その代わりに降ってきたのは甘いキス。
前みたいなおでこへキスじゃない。
離れても感じる唇への柔らかい感触。
「これからずっと俺のことしか考えられなくしてやるから」
ふわりと髪を撫でられる。
有嶋に触れられたところ全てが熱を持つ。
夜空に光る赤色の花火より、私の頬はきっと真っ赤だ。