一途な執事と甘いティータイム
私は厄介な有嶋が居ないことでせいせいしているけれど、そんな私とは裏腹に有嶋のことを気遣うおばあちゃん。
おばあちゃんは本当に優しい。
そういうところはちゃんと見習わないととは思うんだけど……やっぱり何かと突っかかってくる有嶋のことは好きにはなれない。
「黄色いドレスもお似合いですね」
手の届かない背中のチャックとホックを止めてくれて、無事に着付けが終わった私は鏡の前に立たされた。
本当に私の体型にピッタリ。
それはもう恐ろしいくらいに。
肩甲骨が隠れるくらいの長い髪は、ゆるく巻かれてハーフアップになっていて、サイドは編み込みもされていた。
メイクもおばあちゃんがしてくれて、とても春っぽい仕上がり。
「ありがとうおばあちゃん」
「どういたしまして」
パーティーは恨むけれど、このドレスとメイクはお気に入りかもしれない。