明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

「それでは。八重さんは、なにがお好きですか?」


しっかりと目を見つめて尋ねられたが、息が止まりそうなほどの緊張に襲われた私は、目の前に広がる池に視線を移して口を開く。


「なんでも結構です。黒木さんのお好きなものを」

「遠慮はいりません。正直に告白しますと、お誘いしてご迷惑だったのではと昨晩よく眠れませんで。お詫びに八重さんのお好きなものをごちそうさせていただければと思っていたんです」

「迷惑だなんて、決して」


私は緊張と喜びでうまく寝付けなかったというのに。


「……でも、それでは、かき氷が食べたいです」


彼と一緒にかき氷を食べられたらとずっと思っていたので、白状した。


「かき氷ですか。かわいらしいお方だ。それではそうしましょう。そのあと、私がひいきにしている洋食店にでも」
「はい」


それから池のほとりを散策しながら、いろいろな話をした。
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