明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

私との間〝にも〟ということは、ふみさんとの間にも子をもうける、ということ?

最近では妾の存在も随分少なくなってきたとはいえ、政府要人にはあたり前のようにいるとも耳にした。

けれども、まさか自分の夫となる人に、嫁入り前からその存在を告げられるとは思ってもいなかった。

「難しいことは考えなくていい。ふみはごく一般の家庭の女だ。清水家の嫁としてはあまり歓迎されなくてね。普段、妻として連れて歩くのは八重だから。先ほどから見ていると、所作は完璧なようだし、清水家の恥にならぬよう過ごしてくれればそれでいい」


平然とした顔で言い放つ恒さんが信じられない。
そして顔色ひとつ変えることなく聞いているふみさんも。

彼女は妾という地位に甘んじてもかまわないのだろうか。

私はとても『はい』とは言えなかった。


父はふみさんの存在を知っていて、私を嫁がせるの?
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