明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
そこまで覚悟してくれているのなら、うなずく以外に返事はない。
「行きます」
私を道具ではないと言い、好きだと口にしてくれる彼とともに生きていきたい。
「いばらの道かもしれないぞ?」
「構いません。黒木さんと一緒なら」
これほど胸を焦がした彼と一緒にいられるなら、どんな苦労もいとわない。
「わかった。準備をして近いうちに必ず迎えに行く。少し待ってほしい」
「はい」
黒木さんはうれしそうに微笑み、私の顎に手を添える。
すると絡まる視線が拍動を速めていく。
「苦労させるかもしれない。でも、幸せにする」
そう囁いた彼は、もう一度甘い唇を重ねた。
やっと気持ちがつながり離れがたいが、黒木さんとともに生きていくと覚悟が決まったので心は穏やかだった。
人力車で家の近くまで送ってもらうと、女中のひとりに見つかってしまった。