明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

そして黒木さんとの約束の日がやってきた。

この三日間は女中たちの動きをよく観察して、いつなら外に出ていくことができるかと考えていた。

しかし、父から私を外に出すなと絶対命令が下っているらしく、そんな隙はまったくない。


玄関の近くに常に誰かがいて、縁側から庭先を見ると、門のところにも庭師が立っている。

夜中であればあるいは、と考えたが、玄関の引き戸に外から鈴をつけられてしまい、どうしたってそれが鳴る。打つ手なし、だった。

無情にも約束の午後三時が過ぎた。


「黒木さん……」


憎らしいほど晴れ渡る空を見上げて唇を噛みしめる。

私はこのまま籠の中の鳥なのだろうか。
実際に牢に閉じ込められるわけではないが、それに近いものがある。

清水家に嫁ぎ跡取りを産めば私は用なし。
一生、別の人を寵愛する夫の姿を見ながら生きていくのだ。


「どうして……」


どうして真田の家に生まれてしまったのだろう。
そんなことを想い、涙をこぼす。
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