明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
これから先、どうやって生きていけばいいのだろう。
絶望しかない。
やがて屋敷には静寂が訪れた。
皆、寝静まったのだ。
あれからてるが一度様子を見に来たが、私は寝たふりをして言葉も交わさなかった。
口を開くことすらしたくないと思うほど、心が疲弊していた。
そっと障子を開けて神社の方角を見つめると、月に雲がかかっていく。
私の心と同じ。
黒木さんと思いを通じ合わせたときは煌々と輝いていたのに、暗雲が立ち込めてきて光を放つこともできなくなった。
再び視界がにじんできたとき、庭先でなにかが動いた気がして体をビクッと震わせる。
しかし、なにも見えない。
鳥でもいたのかしら……。
縁側に出て目を凝らすと、今度はガサッという大きめの音がして腰が引けた。
「誰かいるの?」
途端に速まる鼓動。
門は私が出ていけないように鈴がついているはずだが、鳴ってはいない。
庭師がこんな夜更けにいるわけがないし……。