明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

「……はい」
「どうかお幸せになってください。困ったらいつでも手を貸しますから」
「ありがとうございます」


気を張り詰めていたせいか、優しい言葉をかけられて涙がこぼれた。


私が風呂から上がると、彼が交代で。

用意されていた浴衣姿で待っていると、彼は早々にやってきて私の隣に座り腰を抱く。
そして眉間にシワを寄せた。

冴えない顔をしていたのかもしれない。

先ほど女将の話を聞き、警察官として立派に勤務していた黒木さんから仕事を奪うことに、胸が痛んだからだ。


「俺に力があれば、堂々と奪いにいけたのに、すまない」


視線を絡ませて謝る黒木さんは、切なげな表情を浮かべる。

彼に力がないのではない。
ただ、生まれ落ちた場所の問題なのに。


「もう、会えないと思っていました。好きでもない人の子を産むしかないのだと……。だから、黒木さんが来てくださったとき私……」
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