明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
「愛してる」
口づけの合間に囁かれて彼の腕を強く握ると、首筋に舌が這いだし、浴衣の襟元をグイッと開かれる。
私は緊張で体をこわばらせた。
「八重、怖い?」
「いえ。緊張、して……」
「優しくする。俺に全部ゆだねて」
彼は私の頬にかかる髪をそっとよけ、困惑の表情を見せる。
「やめてやりたいけど、無理だ。八重が欲しくてたまらない」
「黒木さん……」
「名前を呼んで。もう八重だけの男になるんだ。呼んでほしい」
私だけの?
恒さんに、妻にはするが心は別の人に向けると宣言されたが、彼は私だけを愛してくれる……。
「信吾、さん」
羞恥心で真っ赤に染まっていく体を自分ではどうすることもできない。
しかし、愛される喜びに打ち震えた。
「八重。……八重」
甘いため息の合間に呼ばれる自分の名に酔いしれる。
「あぁ……」
襟元を開かれてあらわになった肩に唇を押し付けられて声が漏れる。