明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

「はぁっ、八重……」


やがて強く腰を送り込まれたのと同時に、最奥で彼が欲を放った。

信吾さんは激しい呼吸を隠すことなく私を強く抱きしめる。
私は陶酔感に浸り、彼に体を預けていた。

それから私たちは互いに言葉を交わすことなく、ただ肌と肌の温もりだけを感じていた。

自分の人生の矛先を自身で決められず泣き暮らすはずだったのに、たまらなく幸せ。


しばらくすると、彼は私の額に唇を押し付けて表情を緩める。


「八重。昼間に動くのは危ない。日が落ちてからここを出よう。できるだけ遠くに逃げるんだ」


もう外はすっかり明るくなっていて、屋敷から逃げたと知られていたら、誰かの目に留まる可能性が高い。


真夜中だった昨晩はここまで歩いて逃げるので精いっぱいだったが、日が落ちてすぐなら人力車や電車も使える。

そうすれば遠くに逃げられる。


「はい」


私が笑顔で返事をすると、もう一度唇が重なった。
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