明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

なんとか捕まることなく東京駅に到着し、目の前に電車が滑り込んできたときは、安堵して脱力するほどだった。


これで自由になれる。
信吾さんと生きていける。

そう思ったのもつかの間。


電車に乗り込もうとしたとき、どこから現れたのか駆け寄ってきた警察官が信吾さんの腕を捕まえた。


「黒木警部ですね。本日は無断欠勤されたということで、お捜しするようにと命令が下っております」


警察が信吾さんを捜しているってどういうこと?
無断欠勤くらいで警視庁が動くのはおかしい。


「私は……辞表を提出した身です」
「辞表は受理されておりません。お戻りを」


いつも堂々として落ち着いている信吾さんだが、珍しく唇を噛みしめ目を右往左往させている。


「それと、真田八重さんですね。お父さまから捜索依頼が出ております」


捜索依頼?

父がそこまでするとは思ってもいなかった。
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