明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

私が誘拐ではなかったともう一度証言すれば、彼は無罪放免となるのではないだろうか。


「馬鹿な。嫁入り前の大切な時期にたぶらかして連れ出したのだ。無実なわけがない」


鼻息荒い父をどうしたら説得できる?

私は考えを巡らせた。


「わかりました。ただいまより清水家に行って、駆け落ちを謝罪してまいります」


そう伝えると父の顔が引きつった。


「なにを言っているんだ。お前は誘拐されたのだ。それに、今回の件は清水家には知られていない。このままなにも言わなければ……」

「いえ。夫となる人に隠し事はできません。どれだけ罵られようと、すべてを明らかにして謝罪いたします」


私が立ち上がると、父は慌てて引きとめる。

「待て。黙っていればいい」
「いえ。黒木さんだけを苦しませることはできません。私も同罪ですので、どんなお咎めも受ける覚悟です」


障子を開けて部屋を出ていこうとすると、焦る父が前に立ちふさがる。
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