明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
「お父さま、お願いです。彼に会わせて」
「黙れ。お前は清水家の嫁になるのだ。これ以上逆らうなら、あの男は監獄に逆戻りだぞ」
父の言葉に絶望して、へなへなと座り込んだ。
それからしばらく横山さんと信吾さんがもめる声が響いていたが、やがて追い出されてしまったらしく静寂が訪れた。
「旦那さま。あの黒木という男、八年前の女の……」
しばらくして横山さんが真っ青な顔をして戻ってきて、声を震わせる。
「横山。黙れ」
なぜか目を見開いた父は私にチラッと視線を送ったあと、強い口調でたしなめる。
八年前の女って、なに?
「一晩中門番を置き、屋敷の周りを警戒させろ」
使用人たちに声を飛ばす父は、「八重は部屋に戻りなさい」と付け足す。
私が大広間を出ていこうとすると、横山さんと父が深刻な表情でなにかを話し始めたので気になった。