月夜に笑った悪魔
全部飲み干したところで……。
突然、ふらっとする体。
急になんだろう……。
私、ジュース飲んだだけだよね?
体が少しずつ熱くなってきて、倒れそうになった時に──……、体を支えられた。
私の背後に立つ人物。
右肩には大きな手がまわって、抱きとめられている状態。
「おっさん、俺のツレになにしてんの」
耳に届くのは、低い声。
男性の声だ。
“ツレ”って言われたような気がするけど……その声に聞き覚えはないような?
……だれ?
「おっ!きみはこのお嬢ちゃんの彼氏かい?だめだよ、女の子泣かせちゃ~!」
最後にそう言うと、ふらふらしながら歩いて行ってしまうおじさん。
待って、最後にもう一度お礼を……。
そう思っても、体がいうことをきかない。
体に熱がまわり、体はふらふら。
頭がふわふわして、なんだか気持ちいい。
すっごぉい!
なにこれ!おじさんの言う通りだ!なんかさっきよりも気持ちがすごく楽!