月夜に笑った悪魔
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「落ちる落ちる……っ!」
スピードを出して走るバイク。
私は振り落とされそうで前にいる暁にさらに強く抱きついた。
暁もちゃんと病院でケガを診てもらった帰り道、私は車ではなくなぜか暁のバイクの後ろに乗せられ、現在に至る。
強く降っていたはずの雨はまたやんだから、これ以上濡れたりはしないけど……とにかく振り落とされそうで怖い。
まさか、自分が誰かのバイクの後ろに乗せてもらうとは思わなかった。
「そんなに強く抱きついて、大胆だな?」
赤信号でとまって、おもしろがるように笑う彼。
「な……っ!私、無理なの!絶叫系とか無理なの!」
昔から、絶叫系は大の苦手。
子ども向けのジェットコースターにも昔から乗れなくて、無理やり乗ったら……終わったあと吐いた記憶。
バイクの後ろに乗るのなんて、ジェットコースターのあの感覚にものすごく似ているから一刻も早くおりたいところ。
「バイクを絶叫系って言うとかアホだな、おまえ」
「ちょっ、おねーさんに向かってなに言うのさ……っ!」
「あっ、青信号。行くぞ、おねーさん」
「……っ!」
青信号にすぐに変わると、さっきよりもスピードをあげて走り出す。
……これは、絶対わざと。
暁は笑っていたけど、私は本当に死ぬかと思い必死にしがみついていた。