月夜に笑った悪魔


……ムカついた。
芽依とくっつく暁を見て、不安になった。



でもおかげで……って言うのも変だけど、そんなことをされたから、私は自分の気持ちに気づいたわけだけどさ。










「もうやめて。もう……ちゃんと好きだから不安にさせないで、バカ」


小さく呟くように声を出して、手を強く握り返す。



目の前の彼は瞬きを数回。
それから。




「……ほんと?ほんとに俺のこと好き?」



確認するように私を見つめてくる。
そんなに確認するほど信じられないのだろうか。




「……ほんとに好きだ、バカ」



また声を出せば、ドキドキと心臓が暴れる。


本当にさっきまでは雷が怖かったのに、今も外で雷が鳴っていても不思議とそこまで気にならなかった。


視界に映るのは、暁だけ。



近づいてくる彼の顔。

目を瞑れば……触れ合った唇。



柔らかい感触、甘い熱がしっかりと伝わってくる。


気持ちを伝えて、はじめてのキス。
幸せな気持ちが溢れていく。

< 286 / 615 >

この作品をシェア

pagetop