月夜に笑った悪魔


「今は──……」


私は、暁を眠らせたあとなにがあったのかを説明。
紫乃たちが敵ではなく同じ気持ちなこと、月城組が動いていること、をちゃんと彼に伝えた。


暁は相槌を打ちながら聞いて……。
最後には「わかった」と返事。




「暁、水飲む?さっき紫乃が自販機で買ってきてくれたの」


ぱっと彼から離れて、置かれていたペットボトルの水へと手を伸ばす。


1本手に取って彼を見つめれば、暁は「飲ませて」と私を見つめ返した。



少し遅れて、その言葉を理解。


そうだ。
暁は、まだ動けないもんね。



私はペットボトルのキャップを開けて、彼の口元へと飲み口を近づけた。

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