月夜に笑った悪魔
「あの……タダでいただけるのは嬉しいですが、やっぱり悪いのでお金を──」
「ここまでついてきたってことは、きみにもその気があるんだよね……?今、少し緊張してる?可愛いね……」
必死に振り絞った声は、遮られてしまった。
……に、逃げなきゃ。
このままじゃ、なにされるかわからない。
これは、せっかくお礼として任されたシゴト。
ここで私がこの人を逃がすわけにはいかない……けど!
やっぱりGPSと盗聴器がないんじゃ暁と吉さんに状況は伝わらないし、クスリの販売者がわかっても捕まえることは不可能。
会場に戻って暁を探そう……もう、それが1番かもしれない。
必死に頭を使って考えて、行動しようとした時に
──急に肩を強く押されて、私の体はソファに倒れた。