トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
沢山聞きたい事があった。
家族と食べないの?
なんで暗い公園で1人?
寂しく無いの?
けど、なんだか聞かない方がいいような気がして私は話題を変えようと必死だった。
「あ!そうだ!!ねぇ?陽平!!私もスケボー乗ってみたい」
「いいよ!はい」陽平は足でスケボーを私に向かって滑らせた。
「あ、サンキュー!!」
私の目の前まで来ると、それを足で止める。
スケボーに乗ろうと右足をボードに乗せた瞬間……
「ぎゃー!!!!」
「いったぁ~!!!!!」思いっきりお尻をコンクリートへ打ち付けた。
"やばっ!!!"
コンクリートにおしりを打ち付けたことよりも、ワンピースがめくれていたことの方が恥ずかしくて、それをすぐに戻すと、下にショートパンツを穿いていたこといたことに心底良かったと思えた。
「おおい!!まじの初心者かよ!」慌てて険しい顔をして陽平が私に近寄ってくる。
「怪我してない?大丈夫?」
しゃがみながら、私の前に出された手……
その目の前には陽平の顔……
暗い公園、覗きこむ陽平の顔の距離が近すぎて、なんだか私の鼓動はとてつもない速さで動き始めている。
この鼓動が陽平に聞こえてしまうのではないかという位に、ドクドクいっていて、幸いにも、街灯の少ない公園のおかげで、火照っていた顔さえ見られなくてすんだ。
「大丈夫ありがとう」
笑いながら、お尻に着いた小石や砂を手で払いまた挑戦しようと、次は左足からそっと乗せた。