トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
「さっきサヨナラしたおばあちゃんはもう天国へ行けたのかな」
そう思いながら問いかけた。
その瞬間、私の頬に雫が落ちてくる
ポツポツと……
「えっ?雨……?」
見上げた夜空は相変わらず綺麗に星が輝いているのに、ポツリポツリと地面を濡らしていく……
「うそ……なんで?」
「おばあちゃん……?」
その雨は、泣けない私の代わりに、まるでおばあちゃんが泣いてくれているようだった。
「おばあちゃ……ん、私……っ」
なんで生まれてきちゃったの?
生まれてくるべき人間ているのかな?
私はどっち?
こんなに人を憎む人生ならこの世に誕生しなければよかった
こんな困難ばかり続くのなら私は生まれたくなかった
どんなにたくさん人から優しさや愛情を注がれてもいつも心は満たされることはなく、私の心は底には穴が開いていて決して埋まることはない。
私は前世で
何かとてつもなく悪いことでもしたのだろうか
それを償わなければいけないために生まれてきた
欠陥者なのだろうか
そうとしか思えないし
そうじゃなきゃ納得いかない
それとも言わないだけでみんな試練を抱え生きているのだろうか
分からない、もう分からないのだ
どうゆう風に生きて行けばいいのか
「おばあちゃん、私ねもう疲れちゃったよ...……」
今日だけはどんなに泣いても、それを雨と一緒に流してくれる気がした。
だから私は独り、ただただ泣き続けた……。