トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
負の感情で支配されている自分は、叔父に未だに頭と心の中を支配されているのだと思うとやっぱり許せない。
そんな時はいつにだって、あの薄気味悪い笑顔の叔父がよぎる。
虫酸が走るようで気持ちが悪い
いや、とてつもなく胸糞悪い
私は深く、ゆっくりと黒く悪い感情を吐く出したくて何度も深呼吸を繰り返す。
「すぅ~ふーーーー。」
私の涙は次第に止まり、睨みつけるように啖呵を切りながら上を見上げた。
"試練ばかり与えてくる神さま、いつも私を笑いながら見てるんでしょ?悔しいから自分で乗り越えてやる見ててよ。やってやるよ!!!"
"幸せになってやるよ!絶対!負けてらんない!!!"
私は心に強い決心という絆創膏を貼った。
傷は治らないかもしれない、だけどせめてもの保護のために
怒りを込めていながらも、私はなんだかおかしくてクスっと含み笑いをしていた。
こんな喧嘩ごしになるなんて、なんだか流奈みたい……と。
「ねぇ....流奈?流奈ならきっとこんな事言うでしょ?」
私はネックレスのコインを左手で握りしめ右手で転がり落ちているボタンを再び手に取りそう言葉を投げかけた。
その時ーーーー
なぜだか、さっきのメールの受信相手が誰だか無性に気になり無造作に置かれている携帯を手に取ると、小さくため息を吐きだしながら開いた。
「やっぱり……」
そのメールを見た瞬間、小刻みに震えては唇を噛みしめる。
「流奈……」
もはやびっくりして固まっていて、メールを開くことすらできないでいる。
ただ受信者の名前を見た瞬間にさっきとは別の所から出てきているんじゃないかという涙が溢れだし携帯を持つ手に力が入っていた。
テレパシーなのであろうか
以心伝心というのであろうか
それでも、もしかしたら流奈なんじゃないかと少しだけ期待している自分も確かにいたのだ。
ゆっくりと再びメールマークのボタンを押すと真っ白い画面に流奈からのメッセージが開かれた。
【奈月、ずっと連絡待ってるから】
「る………な………っ」嗚咽を漏らしながら、ただただ泣き続けた……。