トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜


それは良く晴れたある日、小さな私は沢山のお菓子と塗り絵をリュックサックに入れ、そこに行ったのをよく覚えている。

「奈月ちゃん、こっちにおいで」

大きなクマの人形を見せてあげると言われ、部屋に着いて行った。

その部屋は大きなクマの人形なんていなくて、私は悪魔の儀式を行わされた。


目の前にいる人は、いい人ではないことは幼い私にでも良く分かった。

「いい子だね」

ただ、その言葉は言われれば、これ以上怖いことはされないと、幼いながらに怖いことだけは避けたかった。


目の前に立たされた私のスカートの中に手を入れ、パンツを下ろすと肩を押さえられ座らされる。


パンツを全部脱がされると、股を広げられ、ポラロイドカメラで写真を撮られている。


私はただただ、笑った。


笑っていればいい子だと褒められ、怖いことはされないと。


"カシャーーーッ!"

私に向けられた機械は1度だけ音が鳴ると、私の傍に置かれた。


その1度だけ鳴った時に撮られた1枚の写真、そのたった1枚の写真を撮られたあの日から私の生活を変えてしまったんだ。

あの日から私は笑顔で嘘をつくことを覚えてしまったんだ。


あの日、あの部屋……

それは始まりを知らせた儀式で、その日から何度もエスカレートし繰り返し行われて行った。


気持ち悪い大人の性欲を満たす道具

私は性的ないたずらをされていた。


そして私の純粋な小さな心は簡単に壊され


死んだーーーー。

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