愛は惜しみなく与う②

「私なら、手を出します」

「だから、やめろ!杏は、俺をなんとも思ってない。そんな子に、手なんか出せるか」


はぁ。再びため息をつき、少し濡れた髪を、わしゃわしゃとする


「朔と慧も、杏が好きなんですね」

「どーみても、そうだろ。気づいてないの本人だけだ」

「あれですかね、恋愛に関しては鈍いんでしょうね」

「鈍いどころじゃねーよ。もはや知ってて、アレなんじゃねーかと思う時がある」

「でもキスしたんでしょ?」

「だからやめろ!」

「朔も慧も、この状況なら絶対手を出しますよ?」

「俺とあいつらを一緒にすんな」

「でも泉…そう言う事するの久しぶりでしょ?」

「お前なぁ…はぁ。お前らの面倒みてたら、湧く性欲もなくなったよ」

「でも杏にキスしたんでしょ?」

「な!!覚えとけよ」


プイっとそっぽを向く泉は、どこかのチームの総長には見えないだろう。
隣で黒い笑顔で笑う新のほうが、たちが悪い


「電話の相手の志木さん。気づいてましたね」

「あぁ。怒ってたな」

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