エリート御曹司と愛され束縛同居
「失礼します」
「どうぞ」
ノックをし、いつもの挨拶を交わして副社長室に入室する。
遥さんは大きな木製の執務机で書類を眺めていた。真後ろにある大きなガラス窓からは綺麗な夕焼けが見えた。
こんな風に一歩離れた場所から見ていると、まるで彫像のように完璧な容姿のこの人に近づくのすら遠慮してしまいそうになる。
「……お呼びだと伺いましたが」
「ああ」
短い返事と共にすっと立ち上がって、あっという間に目の前にやってくる。
突然の行動に驚くとフッと相好を崩された。
どうやら仕事の話ではなさそうだ。
「……平気か?」
至近距離から覗き込んで、端的に問う。二重の目には心配の色が浮かんでいる。
「なにが、ですか?」
小さく瞬きをしながら問い返すと困ったように眉尻を下げる。
「桃子さんの件だ。会社に戻ったら話すと言っただろ?」
低い声が耳に届く。
両サイドを緩く編み込んだ髪のほつれ毛にそっと触れる長い指に、否応なく心拍数が上がっていく。
そのまま骨ばった指をスライドさせ顎を掬い上げられた。
「今さらだし順番が色々と逆かもしれないが……俺はお前が好きでなにより愛しい」
どこまでも率直な言い方に胸が甘く締めつけられた。
初めて言われた、はっきりとした言葉に一瞬声を失う。
「歓迎会の夜に話した内容も今日話した内容も、すべて本心だ。俺はお前の本物の恋人になりたい。お前のすべてがほしい」
伏し目がちの綺麗な目が私をじっと見据える。
泣きたくなるくらい切ない眼差しに身体が動かなくなる。
信じられない幸せな告白に心が震える。
「どうぞ」
ノックをし、いつもの挨拶を交わして副社長室に入室する。
遥さんは大きな木製の執務机で書類を眺めていた。真後ろにある大きなガラス窓からは綺麗な夕焼けが見えた。
こんな風に一歩離れた場所から見ていると、まるで彫像のように完璧な容姿のこの人に近づくのすら遠慮してしまいそうになる。
「……お呼びだと伺いましたが」
「ああ」
短い返事と共にすっと立ち上がって、あっという間に目の前にやってくる。
突然の行動に驚くとフッと相好を崩された。
どうやら仕事の話ではなさそうだ。
「……平気か?」
至近距離から覗き込んで、端的に問う。二重の目には心配の色が浮かんでいる。
「なにが、ですか?」
小さく瞬きをしながら問い返すと困ったように眉尻を下げる。
「桃子さんの件だ。会社に戻ったら話すと言っただろ?」
低い声が耳に届く。
両サイドを緩く編み込んだ髪のほつれ毛にそっと触れる長い指に、否応なく心拍数が上がっていく。
そのまま骨ばった指をスライドさせ顎を掬い上げられた。
「今さらだし順番が色々と逆かもしれないが……俺はお前が好きでなにより愛しい」
どこまでも率直な言い方に胸が甘く締めつけられた。
初めて言われた、はっきりとした言葉に一瞬声を失う。
「歓迎会の夜に話した内容も今日話した内容も、すべて本心だ。俺はお前の本物の恋人になりたい。お前のすべてがほしい」
伏し目がちの綺麗な目が私をじっと見据える。
泣きたくなるくらい切ない眼差しに身体が動かなくなる。
信じられない幸せな告白に心が震える。