初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
「もしかして仕事中ですか?」

「目を通しておきたい資料があるんだ」

「そう……大変ですね」

彼が今どんな案件を抱えているのか詳細は知らないけれど、その業務量は膨大で責任のあるものなのは確か。のんびりする暇はないのだろう。

だけど柊哉さんはノートパソコンを閉じて、椅子から立ち上がり私の側に来た。

「何かあった?」

優しい声。気を遣ってくれているのが分る。

「夕食が出来たから呼びに来たんですけど」

「もうそんな時間か」

柊哉さんは少し驚いた様子だった。時間の確認を忘れる程集中して仕事をしていたなんてすごい。

「少し早いんですけど、お腹が空いているかと思って。でも仕事があるなら後にしますか?」

「いや、食べるよ。用意してくれてありがとう」

「え、いえ……当然のことだから」

食事の支度は私の仕事と思っている。実家でも必ず母が用意していた。

だけど柊哉さんは意外そうに片眉を上げた。

「当然ではないだろう? 香子だって仕事をしているんだし、忙しいときは俺が作るから。二人とも時間がないときは外食にしよう」


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