【放浪恋愛】まりなの日記

【結婚なんかするのじゃなかったわ…】

8月28日・雨(夕方頃に非常に激しい雨が降っていた)

アタシは、あいつの家を飛び出した後、JR鳴門駅の近くにあるマンスリーアパートで暮らしていた…

この日、アタシに郵送で離婚届けが送られてきたけど、婚姻届出してへんことにゼンゼン気がついてへんと思ってシラけていました。

書面には、けいぞうさんの名前と住所が記載されていたので、あとは妻の欄にアタシの署名と捺印してくれと言うことであったから、その通りにアタシの署名と捺印をした…

せやけど、婚姻届出してへんのに離婚届けやなんてアホみたいだわ…

その夜、アタシは駅前にある居酒屋さんで冷酒のロックとおつまみ5点を頼んで、一人酒をしていた…

店の有線放送から、浜圭介先生の作詩作曲で島津ゆたかさんの歌『愛ケセラセラ』が流れていた時に、アタシはどうしてマザコン野郎のあいつと結婚なんかしたりしたのだろうかと思ってはった…

アタシは…

始めから結婚なんかには向かない女だったのよ…

有線放送は、別れの歌や苦しい恋の歌が次々と流れていた…

『優しくて哀しくて』(大西結花)『ふたりでお酒を』(梓みちよ)『ホテル』(島津ゆたか)『愛は別離(わかれ)』(川中美幸)『雨の慕情』(八代亜紀)『別離(わかれ)の雨』(真木由布子)『サヨナラまでのあいだ』(桐谷美玲)など…

アタシは、有線放送から流れてくる歌を小さな声でつぶやきながら歌っていた…
< 120 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop