【放浪恋愛】まりなの日記
まりなの日記・6

【39歳】2012年

10月6日・晴れ

けいぞうと離婚をしてから1年の間、アタシは坂出→観音寺→伊予三島→新居浜…と各地の事業所を転々としてはった…

せやけど、すぐにやめてばかりいたけんまたオミズの世界に戻って、やさぐれ女として生きて行くことを選んだ…

各地を転々としたあげくに、流れ着いたところは、港町・今治であった…

この時、松山の女子高時代の友人がダンナの会社の人事異動で今治の支店に転勤となっていたので、松本町のダンナのおじふうふの家で暮らしていたので、アタシはそこでゲシュクしていました。

アタシはこの時、松本町1丁目にあるスナックに入店をして、夜の7時から翌朝5時まで働いていた…

アタシは、午後3時に家を出て赤茶色のバッグと洗面道具が入っている洗面器を持って黄金町通りのおふろ屋さんに行って、お風呂に入ってから店に出勤をしていた…

お風呂屋さんへ行く前に、アタシはいつものように少し寄り道をしていた…

(カランカランカラン…)

アタシはこの時、今治国際ホテルの前を通りかかっていた…

この時、挙式を終えたカップルさんがホテルの中にある幸せの鐘をふたりで鳴らしている様子を見かけた時、アタシは顔が曇ってしまった…

鳴門での結婚生活が破綻してから1年が経とうとしてしているのに、アタシの心はひどく傷ついたまま…

アタシは39歳…

来年、40歳になろうとしてはるのに…

アタシの心は、完全に大人になれてへん…

ところ変わって、黄金町通りにあるお風呂屋さんにて…

(ザバーン!!)

アタシは、体を洗う場所で洗面器に入っているぬるま湯を頭からかぶった…

鏡に写っているアタシの顔は、髪の毛がくずれた形の変な顔になっていた…

そんな時によく思い出すのは、鳴門での結婚生活が破綻したこと…

あの時、アタシの乳房(むね)に受けた傷は今も痛み続けている…

鳴門での結婚生活だけではなく、その前に伊丹で同棲生活をしていた時や和歌山で知り合ったカレとトラブってしまったこと…

そして、アタシが19の時に福山で同棲生活をしていた時の苦い思い出…

そして…

離ればなれになってしまったわが子のこと…

悠宇太…

わずか数日しか生きることができなかったまりよ…

思い出せば思い出すほど、アタシの乳房(むね)の傷はひどく痛むばかり…

苦しいよぉ…

つらくて、悲しいよぉ…

アタシは、髪の毛の形がくずれた表情を鏡に写して、くすんくすんと泣きじゃくっていた…
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