【放浪恋愛】まりなの日記

【夕暮れの高松にて…】

11月4日・晴れ

カレとの同棲生活が破綻した悲しみを抱えたアタシは、再びキャリーバッグひとつを持って旅に出ました。

松永駅からJR山陽本線の電車に乗ったアタシは、岡山駅に着くまでの間、泣きじゃくってばかりいました。

アタシは…

どうして、カレのことを好きになってしまったのかな…

愛し合う気持ちばかりが強すぎたので…

心のどこかにほころびがあったことに気がつくのがおそかったと思う…

悲しいよ…

しんどいわ…

岡山駅で列車を降りたアタシは、キャリーバッグひとつを持って瀬戸大橋線の快速マリンライナーに乗り換えて、四国へ向かいました。

海を渡って、高松駅に電車が着いたのは夕暮れ時であった…

アタシは、キャリーバッグひとつを持って高松駅のプラットホームに降り立った…

駅の中にある立ち食いうどん屋さんで、一杯300円のかけうどんを食べた後、アタシは夕暮れ時の都会(まち)をとぼとぼと歩いていた…

アタシは、通勤通学客でにぎわうことでん瓦町駅の駅前広場にあるベンチに座って、ひとりぼっちで泣いていた…

そんな時に、松山の女子高時代の友人と再会しました。

友人は、高松の大学で華の女子大生ライフを送っていた…

友人と再会したアタシは、ことでん屋島駅の近くにある友人が暮らしているアパートへ行きました。

ことでん屋島駅の近くにある友人が暮らしているアパートにて…

アタシは、カレとの同棲生活が破綻したことを友人に打ち明けようとしていた…

しかし、うまく伝えることができずに涙をポロポロとこぼして泣いていた…

アタシは友人に『今さらながら大学に行きたいと言っても行けない…かと言って専門学校にも行けないからどうすればいいの?』と泣きながら訴えていた…

今からでも、通信制の大学や専門学校に行きたいと思えば行けるけど…

今のアタシには、そんな気力は残ってへんから…

できんもんはできん…

友人はアタシに『行きたい大学がなかったら無理に行かなくてもいいじゃない…それに、今のまりなの気持ちでは大学も専門学校も無理だと思うわ…』と言いました。

大学が無理なら、働くしかない…

だけど…

バブル(経済)が破綻した後のご時世に…

元気な体があればどこでも雇ってくれると言うのは難しい…

アタシはこの時、布施(東大阪市)の親戚を頼ろうかとも考えていた…

そうでもしなければ、アタシの心はよりしんどくなるかもしれない…

(まりなはその後、友人からの紹介で志度にあるタダノ(鋼板メーカー)の製造工場への再就職が決まりました。)
< 37 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop