【放浪恋愛】まりなの日記

【披露宴におよばれ】

5月12日・晴れ

この日アタシは、松山の女子高時代の友人から結婚披露宴の招待状を受け取っていたので、空いている時間に阪急電車の梅田駅付近にある阪急茶屋町アプローズタワーの中にあるホテル阪急インターナショナルへ行きました。

披露宴は、友人が勤務している職場の先輩の男性さん(34歳)とお嫁さんの結婚披露宴でありました。

男性さんは、転勤でオーストラリアに駐在することが決まっていました。

6月に出発する予定となっていたので、その前に挙式披露宴を挙げることになりました。

挙式披露宴は、職場の同僚たちの心尽くしの手作りの挙式披露宴なので、うらやましいなと思っていました。

アタシは、婚礼用の礼服がないのでレモン色の長袖の上着の上にデニムのジャケットをはおって、下はボブソンのジーンズ姿で参列しました。

みんなが礼服を着ているのに、アタシだけはラフな服装だったから、何だかやりづらいなと思っていました。

新郎新婦のお色直しの時に、アタシは友人とエントランスにあるカフェテリアでコーヒーをのみながらお話しをしていました。

「服装が間に合わなかったのはしゃーないけれど、まりなが元気で暮らしてはるのを聞いて、安心したわよ。」

友人の言葉に対して、アタシは元気のない声で『うん。』と答えていました。

アタシが元気のない表情をしていたので、友人はアタシにこう言いました。

「どないしたんねん…まりな…あんた、元気ないみたいねぇ…」

アタシは、コーヒーをひとくちのんでから友人に言いました。

「結婚式のカップルさん…社内恋愛よね。」
「せやけど…まりな…まりなはなんぞつらいことでもあったの?」
「アタシね…福山で同棲生活が破綻して以降…生活がうまくゆかへんねん…和歌山の時に知り合ったカレとは…体だけのカンケーやった…さんざんだったわよ…せやから…新しい恋なんて…しとないねん…」
「せやったんや…」

アタシは、友人に福山で同棲していた時のカレと別れたことを言うた後、なみだをポロポロとこぼしていました。

アタシはこのあと、友人に『バイトがあるから帰るね。』と言うて、先にあがらせてもらうことにしました。

その後アタシは、いつものように鶴橋の焼肉屋さんのチュウボウで野菜を切り刻む仕事をしていました。
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