きみはハリネズミ
…私、なんのために必死で笑ってきたんだろう。


傷つかないように、独りにならないように、空気を読んで周りに合わせて、


それなのに守ってきたはずのものはいつのまにか手の中から溢れていて。


『私なこと友達でいれる自信無い』


そう言った親友はもう年賀状すら届かなくなった。


また逆戻りだ。


涙を飲み込めば強くなれると思ったのに。


笑っていればみんなと同じように上手く泳いでいけると思ったのに。


目の奥が熱くて唇を噛むと、口内に鉄の味が広がった。


泣くもんか。


私はどろどろした感情を吐き出すようにゆっくりと息を吐く。


大丈夫。


まだ、大丈夫。


そう自分に言い聞かせて、私は教室をあとにしようとした。














なんで。









なんで君ははそこにいるの。











1番見られたくなかった。










こんなに惨めな私なんて見ないで欲しかった。









ねぇ茅ヶ崎くん。










どうして。





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