クールな婚約者との恋愛攻防戦
その後、別荘へと無事に帰宅してきた。


「はあ、帰りの運転は少し疲れたな」

高速道路が若干渋滞していて、私は助手席に座っていただけなので疲れはないけれど、ハンドルを握っていた樹君には疲労感があることだろう。


「ごめんね、ずっと運転させちゃって。ありがとう」

「それは別にいいけど、先に風呂入ってくれる? 俺はソファでちょっと休んでるから」

「うん、分かった」


言われた通り、先に浴室を借りることにした。

シャワーを浴びながら、全身鏡で自分の姿を見つめた。


……キスされた時、私変な顔してなかったかな?
化粧は、崩れてなかったよね?


今更、そんなこと気にしても仕方がないのに、気にしてしまう。

そして思い出す度にーードキドキと胸の鼓動が高鳴る。




浴室を後にし、髪を乾かしてからリビングへ向かった。

するとソファでは、樹君がうたた寝してしまっていた。


どうしよう、起こすの申し訳ないけど、お風呂に入ってもらった方がいいよね?
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