俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
 すごく忙しそう。改革案をまとめているところだって言っていたけれど、大丈夫だろうか。通常業務もこなしながらだと、大変だよね。

 そういえば昨日、圭太君が言ってた。最近の副社長は帰宅後も遅くまで仕事をしているようだと。それに東雲社長からも、頻繁に連絡がくるようになったとも。

「あの、なにか私に手伝えることがありましたら言ってください」

 秘書として……ううん、本音をいえばただ、好きな人のためになにか力になりたい。
 その思いで言ったものの、彼は首を横に振った。

「ありがとう、気持ちだけで十分だよ。この仕事だけは最初から最後まで自分の力でやり遂げたいんだ」

 そうだよね、秘書の私の仕事は副社長の業務が滞りなく遂行できるよう、サポートすることだ。彼の仕事を手伝うことじゃない。それなのに、なにを出しゃばっているのだろうか。

「わかりました。ではなにかありましたら、お声かけください」

 頭を下げて逃げるように副社長室をあとにした。部屋を出て、そのままドアに体重を預ける。
< 116 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop