俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「お疲れ」

「お疲れ様です」

 慌てて挨拶しながら頭を下げるものの、動揺を隠せない。
 どうして社長がここに? しかもおひとりで。なにか用事があるなら秘書である細川さんを通すはずなのに。

 混乱しながらも社長を招き入れた。

「東雲君はいるかな?」

 そのまま真っ直ぐ副社長室に向かう社長の前に、慌てて回り込んだ。

「申し訳ございません、東雲はただいま、ニューヨーク本社の者とweb会議中でして……」

 事情を説明すると社長は顔をしかめた。

「ニューヨーク本社と……ね。そうか、それは邪魔できないな」

「申し訳ございません」

 どんなことで会議をしているのかわからないからこそ、社長といえど通すわけにはいかない。
 丁寧に頭を下げると、社長は深いため息を漏らした。

「ではキミに渡しておこう」

 顔を上げると、A4サイズの封筒が差し出されていた。

「こちらはいったい……」

 受け取りながら尋ねると、社長は耳を疑うことを言った。

「東雲君へのお見合い写真だ」

 えっ……お見合い写真?
 愕然となる私に社長は得意げに続ける。
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