俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「こっちに戻ってくると聞いてうれしかった。今度こそ仲良くしたかった。……でも、そう思っていたのは私だけのようね」

 悲しげに言い、再び食べ進める細川さんに言葉が出ない。

 なんて言えばいいのだろうか。素直に細川さんの気持ちはうれしく思う。だけど頼ることによって迷惑をかけることになるのは、目に見えている。それなのに巻き込むわけにはいかないでしょ?

 結局言葉が続かず、その後は黙々とお互い食べ終え会社に戻った。最後に彼女から「ひとりで抱え込まず、またいつでも頼ってくれていいから」と言われて――。



 一週間後。副社長室にある自席で取引先の情報をまとめ終え、時計を見るとあと五分で終業時間になろうとしていた。
 副社長は三十分前からニューヨーク本社とweb会議中だ。

 長引きそうだし、他に今日は予定が入っていないから、私は定時を過ぎたら上がっていいと言われている。
 急ぎでやる仕事はないし、秘書課に寄って今日は帰ろうかな。

 まだ源君問題をどう対処していいか、答えが出ていないし。家でゆっくり考えたい。
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