クールなオオカミの過剰な溺愛
「……シルバーの、ピアス…」
それも片方だけ。
なんとなくそのピアスに見覚えがあった。
「このピアスは確か……」
「真問、どうしてそんなに急いでるんだ?」
「授業までまだ時間あんのにな」
誰のものか思い出した時、タイミングよくこのピアスの持ち主の名前が呼ばれた。
そう、これは確かに水瀬くんのピアスだ。
咄嗟にスカートのポケットへと隠してしまう私。
だって今更面と向かって返すのはきつい。
それなら水瀬くんの目を盗んで机にでも置いておこうと思った。
私は慌てて立ち上がり、自分の席に荷物を置いた。
すると私の横を素早く通り過ぎた水瀬くんが、自分の机に触れながら何かを探している様子。
その姿はどこか焦っているようにも見えて、なんとなくピアスを探しているのだと思った。