クールなオオカミの過剰な溺愛
あんな無理矢理キスされて、クズ発言もたくさんされたというのに。
拾ったピアスをすぐ返せなかったことに罪悪感を抱いてしまった。
この際だから意地悪して返さないでおこう、なんて思えないくらいに彼は焦っている。
どうしよう、今からでも返すべきか。
でも一度は『知らない』と嘘をついてしまったのだ。
やっぱり彼がいない間を狙って机の上にでも置いておこうと思った。
「真問、なに探してんだ?」
「ピアス…片方落としたみたいで」
そんな水瀬くんを見て不思議に思ったのか、ひとりの男子が彼に話しかけていた。
「最悪だな、その今つけてる小さいやつだろ?」
「……うん」
「どっかに落としたから見つけるの苦労しそうだな。
いっそのこと買えば?
多分そんな高くないだ…」
「これじゃないとダメなんだ」
まるで言葉を遮るように、はっきりとそう言い切った水瀬くん。
水瀬くんが必死になるほどピアスが大切なのだ。
そんな彼がピアスを探している間に、4限目の始まるチャイムが鳴り響いた───