クールなオオカミの過剰な溺愛



「───自分だよ」


けれど水瀬くんの回答は、予想を遥かに超えるもので。



一瞬息をするのを忘れてしまった。



「……へ」
「俺は俺が一番嫌い、世界で一番」


意味がわからない。

自分で性格を悪くしているというのに、そんな自分自身が嫌いだなんて。



「何わけのわからないこと言ってるの…?」

「事実だよ。それに夏原さんのことを嫌いだって言ってるのも、単なる自分の弱さだし」


わからない。
水瀬くんが何を言っているのかまったく。


「みんな俺のこと好きって言うけど、本当は夏原さんの感情が正解。俺なんか嫌われて当然なのに」

眉を下げ、諦めたように笑った彼はそれきり掃除が終わるまでずっと口を開くことはなかった。

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