クールなオオカミの過剰な溺愛
「煌哉に教えてもらったら簡単に思えるのに…煌哉に授業してほしい」
「バカか。大人数に一気に教えるってなれば、俺なんかより先生のほうがずっと上手いから」
「……そうなの?」
「大人数に教えるって難しいんだよ」
確かに、言われてみればそうかもしれない。
クラス全員が理解できるような授業をするだなんて、普通に考えたら難しいはずだ。
そのため私は頑張って理解しようと励まなければならないのか。
いや、もちろん真面目に授業は受けているけれど───
「やっぱり煌哉に甘えちゃうんだよなぁ」
「口より手動かせ」
「うー…厳しい」
勉強を教えてくれる煌哉は甘えを許してくれない。
私が問題を解いている間は彼も自分の勉強をしているのだけれど。