クールなオオカミの過剰な溺愛
なんとなく思考を放棄したくなった私は、煌哉が問題を解いている先を見つめる。
少し考えただけでスラスラ解けるのだから本当にすごい。
それに問題と向き合っている彼は真剣で、集中していて。
じっとプリントの問題を見つめる彼の表情がかっこいいなと思った。
そりゃ煌哉がイケメンなのはわかっているけれど、前々からここまでかっこいいと思っていたっけ。
もう見慣れていた気がするのに、変に意識してしまっているような。
「……千紗」
「はい…!」
「結構恥ずかしいんだけど、そんなに見られると」
その時ふと彼が私を捉えた。
思わずドキッとしてしまう。
「ご、ごめ…」
「なんかいつもと様子違うように見えんのは気のせい?」
「……っ」
恐らく私の格好のことを言っているのだろう。
そんなの私だって思っている。
どうしたんだろうって。