クールなオオカミの過剰な溺愛
まだ私自身、勇気がでない。
煌哉の彼女になるということに対して。
“煌哉が好きだ”と言い切れる自信もない。
「これは断るくせに、抵抗はしないのな」
「い、一応してる…」
「言葉ではな?体は正直なのに」
また熱くなる頬に触れて。
煌哉が満足そうに笑う。
何も言い返せないのは、その通りだったから。
こうして触れられることも、キスされることも。
嫌だと思わなくて、ただ恥ずかしいだけで。
本当は受け入れている自分がいた。
ただもう一歩前に踏み出せない。
これ以上先に進む勇気がどうしても出ないのだ。
「まあいいや、今はとりあえず勉強だな。
じゃねぇと千紗の夏休みがなくなる」
「そ、そうだよ…!
早く教えてよね!」
「はいはい、とりあえず問題解け」
煌哉が邪魔したくせに、今度は問題を解けって。
乱された私はしばらく集中できそうにない。