クールなオオカミの過剰な溺愛
「……ふっ、熱い」
「っ、離してよ」
全部煌哉のせいだ。
煌哉が私をおかしくさせる。
「勉強、このままだとやばいもんな」
「そ、そうだよ!だから離し……んっ」
それはほんの一瞬の出来事だった。
頬に添えられた手がいつのまにか顎へと移動し、持ち上げられて。
少し強引に重ねられた唇。
まるで私の話を遮るかのように。
甘い甘いキスに熱が全身に回る。
「じゃあ勉強するか。
ここはまだわかるのか?」
余裕たっぷりな男。
キスした直後の言葉がこれ。
まるでさっきのキスがなかったような扱いだ。
「……尻軽男」
「千紗にしかこんなことしねぇよ」
「付き合ってないのに」
「じゃあこんな中途半端な関係、やめるか」
それはつまり、“彼女になれ”ということ。
けれど受け入れられない私は首を横に振った。