クールなオオカミの過剰な溺愛
「じゃあダメだな、勉強するぞ」
「うっ…それなら何か食べようよ」
「休憩しようとするな」
「ケチ、煌哉のケチ野郎!」
私には不利の条件しか突きつけてこない。
渋々元の場所へと戻り、もう一度問題と向き合うけれど。
「うー…」
だんだんと重くなるまぶた。
これはもう、頭にほとんど入ってこない。
「千紗、限界?」
「うん…」
「ったく、30分で起こすからな」
「わかった」
ゆっくりと立ち上がった私は、フラフラとベッドに向かうけれど。
「しっかり歩けよ、バカ千紗」
心配してくれたのか、私の体を支えてベッドまで運んでくれた。
「……煌哉、夏休みどこに行こっかぁ…」
「は?」
「30分だけ寝るねぇ…」
「ほら、寝ぼけてねぇでさっさと寝ろ」
もはや自分でも何を言っているのかわからないまま、私は意識を手放した。