愛することに正解はない【完】



「よっ、久しぶり」


涼太の車の助手席に乗り込むと、そう言って拳を突き出してくる。


それに軽く拳を合わせる。



「久しぶり、涼太」



大学時代から涼太との挨拶は毎回こうするのだ。


ふたりでそうしようとか決めた訳ではなく、いつの間にかこれがあたりまえになっていた。




「そういえば、天とも最近会ってねぇなぁー」



「そうなの?」



天と涼太は親友だから、てっきり私の知らないところで会ってるものだと思っていた。



「そうっつーか、お前ら付き合ってから付き合い悪ぃーよ。」



ケラケラ笑いながら言う涼太は、その事に怒ってるわけじゃなさそうだ。



でも、確かに、付き合ってから私たちはお互い以外の友達とはほとんど会ってない気がする。

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