太陽と月
颯介があっさり言った言葉に思考が止まった。


そんな私を見て、少し笑うと私の手首を掴み自分の方に引き寄せた。


引き寄せられた私はバランスを崩し、颯介の近くにグッと近寄る形となった。


「女と男が同じ部屋にいたら、セックス以外何するの?」


とクスクス笑う。


ごくっと唾をのみ込んだ私の顎を持つと


「本当は椿もして欲しいんでしょ?」と言うと返事を待つ事無く、私の唇を塞いだ。


初めての感触に背中がゾクッとしたけど、颯介はお構いなしに唇を何度も重ねてくる。


しまいには口内に舌を絡ませてきて、クチュクチュと音が響いた。


苦しいと思ったと同時に、何故か心地よさが体中を巡った。


何度も唇を重ねられ、舌を絡ませてくる。


次第に、私は颯介の背中に手を回し、自分からも舌を絡ませていた。


数分だっただろうか・・・もしくは数秒だっただろうか・・・


夢中で舌を絡ませていると、颯介の唇が離れていく。


急に離された事に、寂しさを感じてしまう自分は心底、頭が可笑しいと思った。


そんな私の表情を読み取ったのか、意地悪そうに口の端を上げて


「何?何か言いたい?」と私の目をジッと見る。


「・・・っと・・」小さく呟いたけど、この至近距離なら絶対に聞こえていた筈なのに


「聞こえない」とあざ笑うかの様に、私と少し距離を空ける。


私は少しベットに身体を乗りだし颯介に近づき


「もっとして・・足りない」自分でも驚く言葉が口から出ていた。


そんな私の髪の毛を引っ張り耳元で


「いい子だね」そう呟くと、再び私の唇は塞がれた。


何度も唇を重ね合わせ、角度を変えられては舌を絡みわせる。


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