太陽と月


「約束だよ。椿。これは2人だけの約束。」そう言って、颯介は立ち上がり、家の中に入って行った。


空を見上げると、おぼろげに見えていた月は完全に見えなくなっていた。


貴方は月の見える時間だけお喋りだったね。
その話が例え、残酷で恐ろしい話でも私は、貴方の話をいつまでも聞いていたかったよ。


貴方が見せてくれた世界は暗くて、どうしようもない世界だったけど、
私にはお似合いの世界だった。














次の日の朝、陽介は太陽みたいな笑顔で、おはようと笑ってくれた。


颯介は私の目を見る事なく、まるで昨日の夜の約束は夢だったのかな?と思った。


私の未来は、今始まったばかり。


その未来は光あるものなのか?


光が届かない奈落の底なのか?


さぁ、どっちだ?












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