Trick or Treat!~お菓子くれなきゃ魔法でイタズラしちゃうぞ!~
「攻撃魔法だよ。それにしても、自分勝手な人だな……あの女の子、魔法祭に参加したいんだよね……」

ルイスの問いかけに、深冬は目を細める。そして、とある事を思い付いたルイスは、深冬に提案した。

「ちょっと怒りが収まらないから、あの人の家にイタズラしていいかな?」

ニコリと笑ったルイスを見て、深冬は苦笑する。深冬の中に怒りがあるのは確かだが、頭は冷静な深冬は、ルイスほど誰かに怒りをぶつけようとも考えないのだ。

「……まぁ、良いんじゃないかな」

苦笑する深冬を、ルイスは引っ張っていく。ルイスは、魔法で女性の家の前まで移動した。

「ソルプレーサ!」

ルイスが魔法をかけると、家や木が包帯でぐるぐる巻きになっていく。そして、深冬にもイタズラするように促した。深冬は、ため息をついて呪文を唱える。

「ソルプレーサ」

ポンッと音がし、おもちゃの血の付いた斧が庭に突き刺さった。

そして、玄関先まで移動すると呪文を唱えて玄関の端にお菓子の詰め合わせを置く。

ルイスは満足そうに笑い、深冬を引っ張って次の場所へ向かった。
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