大人の女に手を出さないで下さい

「国永さん!私達応援してます!頑張ってください!」

「応援!?」

翌日梨香子が出勤すると他の店のスタッフ二人から呼び止められ何を言われるかと思った。
応援?私は何を頑張るの?と梨香子は困惑しながら思わずう…うんと頷いていた。
プティビルに着いてからなぜか周りからの生暖かい視線が気になる。
前から色々注目されてたけど今回はなんだか雰囲気が違う。

「国永さん…あ、いやいやなんでもないです」

と何か言いたそうなのに呼び止めておいて何も言わずに去って行く人までいる。

何なの?と頭を捻りトミちゃんを探した。
このフロアで何があったのかトミちゃんに聞けば大抵わかる筈。

「あ、トミちゃんおはよう。ねえなんかみんな変なんだけど。私なんかした?応援してますとか言われたんだけど?」

「ウッフフ〜おっはよう!リカちゃん!今日もいい天気ねえ」

昨日からやけに上機嫌のトミちゃんは梨香子の質問にも答えず朝の掃除に取り掛かる。
こりゃだめだと諦め梨香子は自分の店に戻った。
それにしても昨日のデートは楽しかったらしい。トミちゃんがあんなに嬉しそうなのは久しぶりだ。
そういえば昨日の英梨紗もやけに上機嫌だった。

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