大人の女に手を出さないで下さい
洗練された手捌きを何気に見ていた蒼士は一瞬目をぱちくりさせる。
今、マスターと目が合った気がしたが…彼の頬が赤い気がするのは気のせいか?
どうぞと差し出されたギムレットの先にあるマスターを見上げるとふいっと目を逸らされた。
その後も視線を感じてふと見ると逸らされ、気のせいかと思ってるとまた視線を感じて見れば逸らされる。それが何度か繰り返された。
女性に見つめられることは多々あるのだが、男性からの視線に少し戸惑う。
この女性的なトミちゃんと仲が良いようだし…もしや…いやまさか…と、考え事をしながらギムレットを口にする。
その間もトミちゃんは騒がしい。
「でさでさ!イケメンくんその2と今日出会っちゃったのよ~!たれ目がかわいい爽やかくんなの!あたしの友達のところにセールスに来てたんだけどさ~もう見惚れちゃった!」
それは、昼間見た国永さんと話してた男か、と、ついトミちゃんに喰いついた。
「富岡さん、それは昼間、国永さんのところに来てた男性ですか?」
「ヤダもう!富岡はやめて!トミちゃんって呼んで!」
ぷくっと膨れてそっぽを向くトミちゃんに顔が引きつる。
トミちゃんと呼ぶまで質問には答えてくれなさそうだ。
「トミ、ちゃん、さん…」
「ぶふっ!ちゃんにさんとかつけないでよ!」
あははっと笑うトミちゃんに「はあ…」と苦笑いしか出ない。
「トミちゃんでいいわよ、蒼士くんとあたしの仲じゃない!」
昨日初めて会ったのに仲など無いのだがと思ったが、初めからフレンドリーなトミちゃんはこういう距離感の人なのだろうと捉えることにした。
「しょうがないわねえ、さっきの質問に答えてあげるわ。そうよ、国永梨香子、リカちゃんって呼んでるんだけど、そのリカちゃんところに来たセールスマンよ。蒼士くん気にしてたわよねぇ~」
意味深な目で覗き込まれて蒼士は目が泳いだ。
落ち着かせようとグラスを持つと中は空だ。
「あ、マスター、マティーニを」
「かしこまりました」
心なしか嬉しそうに返事をしたマスターにますます疑念が膨らみだす。
今、マスターと目が合った気がしたが…彼の頬が赤い気がするのは気のせいか?
どうぞと差し出されたギムレットの先にあるマスターを見上げるとふいっと目を逸らされた。
その後も視線を感じてふと見ると逸らされ、気のせいかと思ってるとまた視線を感じて見れば逸らされる。それが何度か繰り返された。
女性に見つめられることは多々あるのだが、男性からの視線に少し戸惑う。
この女性的なトミちゃんと仲が良いようだし…もしや…いやまさか…と、考え事をしながらギムレットを口にする。
その間もトミちゃんは騒がしい。
「でさでさ!イケメンくんその2と今日出会っちゃったのよ~!たれ目がかわいい爽やかくんなの!あたしの友達のところにセールスに来てたんだけどさ~もう見惚れちゃった!」
それは、昼間見た国永さんと話してた男か、と、ついトミちゃんに喰いついた。
「富岡さん、それは昼間、国永さんのところに来てた男性ですか?」
「ヤダもう!富岡はやめて!トミちゃんって呼んで!」
ぷくっと膨れてそっぽを向くトミちゃんに顔が引きつる。
トミちゃんと呼ぶまで質問には答えてくれなさそうだ。
「トミ、ちゃん、さん…」
「ぶふっ!ちゃんにさんとかつけないでよ!」
あははっと笑うトミちゃんに「はあ…」と苦笑いしか出ない。
「トミちゃんでいいわよ、蒼士くんとあたしの仲じゃない!」
昨日初めて会ったのに仲など無いのだがと思ったが、初めからフレンドリーなトミちゃんはこういう距離感の人なのだろうと捉えることにした。
「しょうがないわねえ、さっきの質問に答えてあげるわ。そうよ、国永梨香子、リカちゃんって呼んでるんだけど、そのリカちゃんところに来たセールスマンよ。蒼士くん気にしてたわよねぇ~」
意味深な目で覗き込まれて蒼士は目が泳いだ。
落ち着かせようとグラスを持つと中は空だ。
「あ、マスター、マティーニを」
「かしこまりました」
心なしか嬉しそうに返事をしたマスターにますます疑念が膨らみだす。