大人の女に手を出さないで下さい
「最後に、選んではいけない選択肢は聞かなくてもいいのか?」

「あ…ううん。聞かなくても分かる気がする。だからもう聞かなくてもいいかな」

「そうか」

微笑みそう言うとツクヨミさんは立ち上がり一人去って行った。
気付けばもう休憩時間は終わりだ。
未だに納得してないトミちゃんを急き立てて梨香子たちもカフェを後にした。

絶対選んではいけない選択肢はきっと、誰も選ばない…。
じゃなく蒼士の父、敏明だろう。
敏明は気の迷いだと言っていたが女性に恥をかかせない紳士な彼はきっと梨香子が敏明を選んだら結婚してただろう。(いやいや僕はそこまでお人好しではないですよ、と言ってそうだが)
そうなると蒼士は梨香子の義理の息子となる。
本心を隠しての結婚はきっと梨香子も蒼士も傷つける。
時間が解決してくれるなど悠長なことは言ってられないだろう。
敏明も蒼士を愛していながら自分と結婚した梨香子をどう思うか。
誰も幸せになれない不幸を呼ぶ選択肢だ。
これは占いされなくても分かること。
因みに元夫の英隆を選んでも息が詰まって上手くは行かないだろう。
誰も選ばなかったら英梨紗が独り立ちしたら寂しいひとり身になってしまう。
そうなると蒼士を選んだことは最良だったと改めて思う。
梨香子は伸びをして深呼吸すると、さて、午後も頑張りますか!と店に戻った。


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