大人の女に手を出さないで下さい
「え!?体に自信がない!?」

「ちょ…!トミちゃん!声が大きい!」

慌ててトミちゃんの口を塞ぐ梨香子を隣のツクヨミさんが笑う。
これはデジャヴか?
同じような状況にトミちゃんはめをぱちくりとさせる。
それよりも、梨香子の悩みにトミちゃんは呆れた。
ここは3人の行きつけプティビルの二階にある居酒屋ぼたん。
蒼士の悩みを聞いてから数日後、悩みを聞いてやろうと梨香子を誘い出したのだが。

「自信が無いってどういうことよ?」

「…もう、40過ぎるとあちこち弛んでくるでしょ?なんか筋肉が全て脂肪に成り代わってるんじゃないかってくらいブヨブヨだし、体力も無くなって来てるし…こんな体蒼士くんに見られたら絶対幻滅されると思って…」

お酒のせいか悩みをさらけ出したせいか、梨香子の頬は高揚して目がとろんとしてる。
大人の色気がダダ漏れでついごくりと喉を鳴らしたトミちゃんは、はっ!と我に返ってぶんぶん横に頭を振る。

「そんなこと言って!蒼士くんの誘いを断り続けたらそれこそ嫌われるわよ!」

「そうなんだけどね…」

苦笑いの梨香子は梅酒を飲んではあっとため息。
そんな色っぽい梨香子を黒ずくめのツクヨミさんはクツクツと笑った。

「今まで体のケアを怠ってきた反省をしてるところか」

「そうなのよ!どうしよう…ジムにでも通おうかな…」

「なら!あたしと一緒にジムに通う?」

「え?それは遠慮しとくわ…」

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